旧車を高く売る前に知っておくべきQ&A10選【2026年最新版】

一般的な中古車とは異なり、旧車には独自の市場価値や売却のコツがあります。

この記事では、旧車を少しでも高く売るために知っておくべき疑問と回答を厳選してお届けします。

Q1. そもそも「旧車」の定義とは？何年落ちから旧車扱いになる？

👉️一般的には製造から25〜30年以上経過した車を旧車（クラシックカー・ヴィンテージカー）と呼びます。ただし、買取市場では「希少性」「人気車種かどうか」が年式以上に重要視されます。

たとえば、1990年代のスカイラインGT-Rや初代NSXは、製造から30年以上経過していますが、国内外で高い人気を誇り、プレミア価格で取引されています。一方、同年代でも不人気車種は一般的な中古車扱いとなるケースがほとんどです。

売却前に、自分の車が「コレクターズアイテムとしての旧車」なのか「単なる古い中古車」なのかを見極めることが、適正価格を知る第一歩となります。

Q2. 旧車の買取は一般的な中古車買取店でも対応してもらえる？

👉️対応自体は可能ですが、おすすめしません。

一般的な中古車買取店は、旧車の市場価値を正確に査定できないことが多く、相場より大幅に安い金額を提示されるリスクがあります。

旧車の売却には、以下のような専門ルートを検討してください。

旧車専門の買取業者は、車種ごとの相場やコレクター需要を熟知しています。また、旧車専門のオークション出品では、本当に欲しい人に直接届くため、想定以上の高値がつくこともあります。さらに、旧車愛好家コミュニティやSNSを通じた個人売買も選択肢として有効です。

特に希少車種の場合、専門業者では一般買取店の2〜3倍の査定額になることも珍しくありません。

Q3. 旧車を高く売れる時期やタイミングはある？

👉️あります。旧車市場には季節性があり、最も需要が高まるのは春先（3〜5月）です。気候が良くなり、ドライブシーズンを前に購入意欲が高まるためです。

また、ボーナス時期（6〜7月、12月）も購買力が上がるため狙い目となります。

逆に避けたいのは、車検切れ直前の売却です。旧車は車検費用が高額になりやすく、車検残が少ないと査定額から大きく減額されます。可能であれば車検を通した直後、または車検残が1年以上ある状態での売却が理想的です。

さらに、為替相場も重要な要素です。円安局面では海外バイヤーの購買意欲が上がり、輸出人気車種（GT-R、ランクル、スープラなど）は特に高値がつきやすくなります。

Q4. 旧車の査定で重視されるポイントは？

👉️一般的な中古車査定とは異なり、旧車では以下のポイントが特に重視されます。

最も重要なのはオリジナル度です。当時の純正パーツがどれだけ残っているかが価値を左右します。社外パーツに交換している場合、純正パーツを保管していれば必ず一緒に査定に出してください。

次に走行距離ですが、旧車の場合は少なければ良いというわけではありません。極端に少ない走行距離（いわゆる「不動車」に近い状態）は、むしろ機関の状態が懸念され、マイナス評価になることもあります。

整備記録も重要で、定期的にメンテナンスされてきた証拠があると、大きなプラス査定につながります。また、ボディの錆・腐食状態は旧車では最大の懸念事項であり、フレームやフロアパネルの状態は厳しくチェックされます。

Q5. 動かない旧車（不動車）でも売れる？

👉️売れます。むしろ、旧車の場合は不動車でも驚くほど高値がつくケースがあります。

人気車種であれば、レストアベースとして需要があり、エンジンがかからなくても、ボディやフレームの状態が良ければ十分に価値があります。また、パーツ取り車としての需要も無視できません。旧車は純正パーツの入手が困難なため、部品単位で見れば高い価値を持つことがあります。

ただし、不動車の場合は一般的なオンライン査定では正確な価格が出にくいため、現車確認ができる専門業者に依頼するか、旧車専門のオークションに出品するのが賢明です。

廃車費用を払って処分しようとしている方は、まず専門業者に相談してください。思わぬ臨時収入になる可能性があります。

Q6. 売却前に修理やレストアはすべき？

👉️基本的にはおすすめしません。修理やレストアにかかる費用が、査定アップ額を上回ることがほとんどだからです。

ただし、以下のケースは例外です。軽微な清掃や洗車は必ず行うべきで、第一印象は査定に影響します。

また、簡単に取り付けられる純正パーツへの戻しは効果的です。保管していた純正パーツがあれば、元に戻してから査定に出しましょう。

さらに、現状で動く状態なら維持するようにしてください。わざわざ修理して動かす必要はありませんが、動く状態のものを放置して不動車にしてしまうのは避けましょう。

高額なエンジンオーバーホールや全塗装などは、売却目的であれば避けるべきです。レストアは購入者が自分の好みで行いたいと考えることも多いのです。

Q7. 海外への輸出も視野に入れるべき？

👉️車種によっては絶対に検討すべきです。

特に北米市場では「25年ルール」があり、製造から25年経過した車両は排ガス規制を受けずに輸入できるため、日本の90年代スポーツカーは驚異的な人気を誇っています。

海外需要が特に高い車種としては、日産スカイラインGT-R（R32・R33・R34）、トヨタ・スープラ（A80）、マツダ・RX-7（FD3S）、ホンダNSX、トヨタ・ランドクルーザー、スズキ・ジムニーなどが挙げられます。

これらの車種は、国内相場より海外相場のほうが高いことも多いため、輸出対応可能な業者に査定を依頼するか、海外オークションへの出品を検討する価値があります。

Q8. 名義変更や書類手続きで注意することは？

旧車特有の注意点がいくつかあります。

まず、車検証の住所変更漏れをチェックしてください。長年乗り続けている場合、引っ越しを繰り返して車検証の住所が現住所と異なるケースがあります。この場合、住民票の除票や戸籍の附票など、住所の変遷を証明する書類が必要になります。

また、相続車両の場合は手続きが複雑化します。亡くなった方から相続した車両は、遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明など、追加書類が必要です。早めに確認しておきましょう。

さらに、自動車税の滞納がないか確認してください。滞納があると売却時にトラブルになります。

書類関係は売却直前に慌てると時間がかかるため、売却を決めたら早めに必要書類を揃えておくことをおすすめします。

Q9. 複数の業者に査定を依頼しても問題ない？

👉️問題ありません。むしろ必須です。

旧車は一般的な中古車以上に業者間で査定額の差が出やすいジャンルです。その理由は、販売ルートの違い（国内販売か輸出か）、抱えている顧客層の違い（コレクター向けか実用向けか）、車種に対する専門知識の差などが挙げられます。

最低でも3社、できれば5社以上に査定を依頼しましょう。一括査定サイトも便利ですが、旧車の場合は旧車専門業者にも個別に依頼することを強くおすすめします。

業者間で数十万円から、人気車種では100万円以上の差がつくことも珍しくありません。時間をかける価値は十分にあります。

Q10. 売却を決める前に確認しておくべきことは？

最後に、売却を後悔しないためのチェックリストをお伝えします。

まず、本当に手放して良いかを自問自答してください。旧車は一度手放すと、同じ個体を再び手に入れることはほぼ不可能です。市場価値は今後も上がる可能性があるため、急いで売る必要がないなら保留も選択肢です。

次に、思い出の品を回収したか確認しましょう。グローブボックスやトランク、シート下など、長年乗っていると思わぬものが残っていることがあります。

売却後の税金処理も忘れずに行ってください。自動車税の還付手続きなど、売却後に必要な手続きを確認しておきましょう。

そして、写真や動画を記録として残しておくことをおすすめします。愛車との思い出を形に残しておくと、売却後の心の整理にも役立ちます。

まとめ

旧車の売却は、一般的な中古車とは異なるアプローチが必要です。専門業者への依頼、複数査定の実施、売却タイミングの見極め。これらを意識するだけで、査定額は大きく変わります。

大切に乗ってきた愛車だからこそ、適正な価値を認めてくれる買い手のもとへ送り出してあげてください。