修復歴あり/事故車の旧車買取相場【正直に申告すべき?】

「修復歴があるけど、正直に言ったら買い叩かれるのでは…」
「事故車でも旧車なら価値があるって本当?」

旧車の売却を検討するとき、修復歴や事故歴の申告について悩む方は少なくありません。「黙っていればバレないのでは」と考える方もいるかもしれませんが、結論から言えば修復歴は必ず正直に申告すべきです。

しかし、ここで重要なのは「正直に申告すること」と「適正価格で売却すること」は両立できるという点です。むしろ、旧車専門店であれば修復歴ありでも想像以上の高値がつくケースが数多くあります。

この記事では、修復歴あり・事故車の旧車がどのように評価されるのか、正直に申告すべき理由、そして高値売却を実現するための具体的な方法まで徹底解説します。

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目次

修復歴・事故車とは?定義を正しく理解する

まず、「修復歴あり」と「事故車」の正確な定義を理解しておきましょう。これらは混同されがちですが、査定においては明確に区別されます。

修復歴ありの定義

日本自動車査定協会(JAAI)の基準では、車両の骨格部分(フレーム)を修復・交換した車両を「修復歴あり」と定義しています。

修復歴に該当する骨格部分
  • フロントクロスメンバー
  • フロントインサイドパネル
  • フロントサイドメンバー
  • ダッシュパネル
  • ピラー(Aピラー、Bピラー、Cピラー)
  • ルーフパネル
  • フロアパネル
  • トランクフロア
  • リアサイドメンバー

重要なのは、バンパーやフェンダー、ドアなどの外装パネルの交換・修理は修復歴に該当しないという点です。つまり、軽微な接触事故で外装を交換しただけでは「修復歴あり」にはなりません。

事故車との違い

「事故車」という言葉は法律上の定義がなく、一般的には事故を起こした車両全般を指します。しかし、査定においては以下のように区別されます。

事故車の分類
  • 修復歴あり:骨格部分を修復した車両(査定に大きく影響)
  • 修復歴なし:外装のみの修理で骨格は無傷(影響は軽微)
  • 水没車:浸水被害を受けた車両(別カテゴリで評価)
  • 火災車:火災被害を受けた車両(別カテゴリで評価)

旧車の場合、30年以上の歴史の中で軽微な接触や補修を経験している個体がほとんどです。そのため、「修復歴あり」であっても、その内容と修復の質によって評価は大きく異なります

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修復歴のある旧車は、一般的な中古車と比較して独特の相場形成がされています。一般中古車では修復歴があると相場の30〜50%程度まで下落することもありますが、旧車の場合は修復の程度と車種の希少性によって大きく異なります

修復の程度修復箇所の例相場への影響備考
軽度フロントクロスメンバー先端10〜20%減走行性能に影響なし
中度サイドメンバー、ピラー下部20〜40%減修復の質が重要
重度複数箇所のフレーム修復40〜60%減専門店なら評価可能
最重度フロア全体、モノコック歪み60%以上減部品取り車としての価値

ただし、上記はあくまで目安であり、希少車種であれば修復歴があっても高値がつくケースは珍しくありません。

希少車種は修復歴があっても高値に

旧車市場では、車種の希少性が修復歴のマイナス要因を上回ることがあります。

修復歴があっても高値がつきやすい車種
  • ハコスカGT-R(KPGC10):修復歴ありでも1,500万円〜
  • トヨタ2000GT:修復歴ありでも3,000万円〜
  • コスモスポーツ:修復歴ありでも800万円〜
  • フェアレディZ432:修復歴ありでも600万円〜

これらの車種は現存数が極めて少なく、修復歴があっても「存在すること自体に価値がある」と評価されます。

修復の質によって評価が分かれる

同じ「修復歴あり」でも、どこで、どのように修復されたかによって査定額は大きく変わります。

高評価される修復
  • 正規ディーラーや旧車専門店での修復
  • 純正部品または高品質リプロパーツを使用
  • フレーム修正機を使用した精密な修復
  • 修復記録が写真付きで残っている
  • 修復後に第三者機関の検査を受けている
低評価となる修復
  • 修復履歴が不明
  • 素人によるDIY修復
  • 安価な社外部品での応急処置
  • パテ盛りで見た目だけを修繕
  • フレームの歪みが残っている

旧車専門店であれば、修復の質を正確に見極め、良質な修復であればプラス評価として査定に反映してくれます。

修復歴を正直に申告すべき3つの理由

「修復歴を隠せば高く売れるのでは」と考える方もいるかもしれませんが、これは絶対に避けるべきです。以下の3つの理由から、修復歴は必ず正直に申告することをおすすめします

理由1:プロの査定士には必ずバレる

買取店の査定士は、修復歴を見抜くための専門的な訓練を受けています。特に旧車専門店の査定士は、何千台もの旧車を見てきた経験から、わずかな痕跡も見逃しません。

査定士がチェックするポイント
  • ボルトの塗装剥がれ(外したことがあるか)
  • シーラーの状態(打ち直しの有無)
  • スポット溶接の跡(打ち直しの有無)
  • パネルの隙間の均一性
  • 塗装の色味・肌の違い
  • フレームの歪み(専用機器で測定)

修復歴を隠そうとしても、プロの目には明らかです。むしろ「隠そうとした」という事実がマイナス評価につながります。

理由2:後からバレると法的トラブルに

修復歴を隠して売却した場合、瑕疵担保責任(契約不適合責任)を問われる可能性があります。

発生しうるトラブル
  • 売買契約の解除を求められる
  • 損害賠償を請求される
  • 減額分の返金を求められる
  • 詐欺罪で告訴される可能性

売却後に修復歴が発覚した場合、買取店から連絡が来て対応を求められることがあります。最悪の場合、売却額以上の損害を被る可能性もあるのです。

理由3:正直に申告した方が信頼され高値に

意外かもしれませんが、修復歴を正直に申告することで、むしろ査定額が上がるケースがあります。

正直な申告がプラスになる理由
  • オーナーへの信頼感が生まれる
  • 「他にも隠していることがあるのでは」という疑念がなくなる
  • 修復内容を詳しく説明できれば質の高さをアピールできる
  • 査定士が安心して適正価格を提示できる

特に旧車の場合、オーナーの誠実さと車両への愛情は重要な評価ポイントです。修復歴を含めて車両の履歴を正確に把握し、適切に管理してきたオーナーの車は、それだけで価値が上がります。

一般買取店で修復歴車が安く叩かれる理由

修復歴のある旧車を一般的な中古車買取店に持ち込むと、本来の価値より大幅に安い査定額を提示されるケースが非常に多く見られます。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

旧車の修復歴を正しく評価できない

一般買取店の最大の問題は、旧車特有の価値観を理解していないことです。

一般店で起こる問題
  • 「修復歴あり=事故車=価値なし」と一律判断
  • 修復の質を見極める技術がない
  • 旧車の希少性を考慮せずマニュアル通りの減額
  • 30年前の軽微な修復も現代の事故車と同列に扱う
  • 専門店で高品質な修復を受けた車両も評価できない

その結果、丁寧に修復されたコンディション良好な旧車でも、「修復歴あり」の一言で50%以上減額されてしまいます。

販売ルートの問題

一般買取店は、主にオークションや一般中古車市場への転売を前提としています。これらの市場では修復歴車は敬遠されるため、リスクを避けるために大幅な減額をするのです。

一方、旧車専門店は、修復歴を理解した上で購入する旧車ファン向けの独自販売ルートを持っています。そのため、修復歴があっても適正価格での買取が可能なのです。

再販リスクを過大評価

一般店では、修復歴車の再販リスクを過大に見積もる傾向があります。

過大評価されやすい項目
  • 軽微なフレーム修復 → 「大事故車で価値なし」
  • 20年前の修復 → 「いつ問題が出るかわからない」
  • 専門店での高品質修復 → 「修復は修復」と一律減額

旧車専門店であれば、修復の内容と質を正確に評価し、現状のコンディションに応じた適正価格で買い取ることができます。

修復歴あり旧車を高く売る実践方法

修復歴があっても、適切な方法で売却すれば想像以上の高値がつくことがあります。ここでは、修復歴あり旧車を高く売るための具体的な方法を解説します。

旧車専門店で査定を受ける

修復歴のある旧車を高く売るための最も確実な方法は、旧車の価値と修復歴の意味を理解している専門店に査定を依頼することです。

旧車専門店のメリット
  • 修復の質を正確に評価できる査定士がいる
  • 旧車の希少性を考慮した査定ができる
  • 修復歴を理解した購入者への販売ルートがある
  • 海外輸出ルートで高値販売が可能
  • 部品取り車としての価値も正当に評価

旧車王は、修復歴のある旧車の買取実績も豊富で、車両の価値を正確に評価できる査定士が在籍しています。無料の出張査定にも対応しているため、「修復歴があるけど、いくらになるか知りたい」という方でも気軽に利用できます。

修復履歴の書類を整理する

修復歴のある車両を高く売るためには、修復の内容と質を証明できる書類が重要です。

査定時に提示すべき書類
  • 修復時の見積書・請求書
  • 修復作業の写真記録
  • 使用した部品のリスト(純正・社外の区別)
  • 修復を担当した工場の情報
  • 修復後の点検記録
  • 保険会社の事故証明書(該当する場合)

これらの書類があれば、修復の質を客観的に証明でき、査定額アップにつながります。書類がない場合でも、覚えている範囲で修復内容を正確に伝えることが重要です。

現在のコンディションをアピール

修復歴があっても、現在のコンディションが良好であれば高評価につながります。

アピールすべきポイント
  • 修復後の走行距離と問題なく走行できていること
  • 直進安定性に問題がないこと
  • 異音や振動がないこと
  • 定期的なメンテナンスを継続していること
  • 車検を問題なく通過していること

特に、修復後に長距離を問題なく走行している実績は、修復の質を証明する強力な材料になります。

一括査定サービスで複数社を比較する

専門店の査定額と合わせて、一括査定サービスを利用すると効率的に複数社の査定額を比較できます。

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相見積もりのコツ

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査定額の根拠を必ず聞く:なぜこの金額なのかを確認
「他社でも査定中」と伝える:競合意識を持たせることで査定額アップの可能性
焦らず比較する:即決を迫られても、必ず複数社の査定結果を見てから判断

修復歴の申告方法と伝え方のコツ

修復歴を正直に申告する際も、伝え方次第で印象が大きく変わります。ここでは、査定額に悪影響を与えにくい申告のコツを解説します。

具体的かつ正確に伝える

曖昧な表現は避け、わかる範囲で具体的に伝えることが重要です。

良い伝え方の例
  • 「2015年に追突事故でリアサイドメンバーを修復しました。○○自動車で純正部品を使って修理し、その後8万km走行していますが問題ありません」
  • 「前オーナー時代に左フロントを修復した履歴があります。詳細は不明ですが、購入時の査定で軽度の修復と言われました」
避けるべき伝え方
  • 「ちょっとぶつけたことがあるかもしれません」(曖昧すぎる)
  • 「修復歴はないと思います」(確認していないのに断言)
  • 「前のオーナーのことはわかりません」(知っていることも隠す印象)

修復後の経過をポジティブに伝える

修復歴を伝える際は、修復後にどれだけ問題なく使用できているかをセットで伝えましょう。

「修復歴があります」だけで終わらせず、「修復後○年間、○万km走行していますが、直進安定性も問題なく、車検も毎回通過しています」と付け加えることで、印象が大きく変わります。

不明な点は正直に「不明」と伝える

前オーナー時代の修復など、詳細がわからない場合は正直に「詳細は不明です」と伝えることが重要です。

知らないことを知っているように話すと、後で矛盾が生じて信頼を失います。わからないことはわからないと正直に伝え、わかる範囲の情報を提供することが、結果的に高評価につながります。

修復歴車の売却タイミング

修復歴のある旧車を売却する際の、最適なタイミングについて解説します。

修復直後より時間が経ってから

意外かもしれませんが、修復直後よりも、ある程度走行実績を積んでからの方が高値がつきやすいことがあります。

時間が経ってからのメリット
  • 「問題なく走行できている」という実績ができる
  • 修復の質が証明される
  • 購入者が安心できる

ただし、コンディションが悪化するほど長く乗り続けるのは逆効果です。修復後1〜3年程度、走行距離で1〜3万km程度を目安に売却を検討するのがおすすめです。

旧車市場が活況な時期を狙う

修復歴車であっても、市場全体が活況な時期であれば高値がつきやすくなります。

市場が活況になりやすい条件
  • 円安が進行している時期(海外需要増加)
  • その車種が話題になっている時期(映画・メディア露出)
  • 海外の輸入規制が緩和された時期(25年ルール解禁など)
  • ボーナスシーズン前後

市場動向は旧車専門店に相談すれば最新情報を教えてもらえます。

コンディション悪化の兆候が出る前に

修復歴のある車両は、コンディションが悪化してからでは大幅な減額になります。

早めに売却を検討すべき兆候
  • 直進安定性に違和感を感じ始めた
  • 異音や振動が出始めた
  • タイヤの偏摩耗が目立つようになった
  • 修復箇所周辺に錆が発生し始めた
  • ドアやボンネットの建て付けが悪くなった

これらの兆候が出始めたら、完全に問題が顕在化する前に査定を受けることをおすすめします。

よくある質問

Q. 修復歴を隠して売却することは違法ですか?

修復歴を故意に隠して売却した場合、民法上の「契約不適合責任」を問われる可能性があります。また、悪質なケースでは詐欺罪に該当する可能性もあります。法的リスクを避けるためにも、修復歴は正直に申告することが重要です。

Q. 自分で修復歴があるかわからない場合はどうすればいいですか?

ご自身で判断がつかない場合は、査定時に「修復歴の有無は確認できていません」と正直に伝えましょう。プロの査定士が車両を確認すれば、修復歴の有無は判断できます。前オーナーからの情報や書類がある場合は、それらも提示してください。

Q. バンパーやフェンダーを交換していますが、これは修復歴になりますか?

バンパー、フェンダー、ボンネット、ドアなどの外装パネルの交換・修理は、骨格(フレーム)に損傷がなければ「修復歴」には該当しません。ただし、これらの交換履歴も査定時に伝えておくと、より正確な査定が可能になります。

Q. 30年前の軽微な修復でも申告すべきですか?

はい、把握している限りの修復歴は申告すべきです。ただし、旧車の場合、30年以上前の軽微な修復であれば大きなマイナス評価にはなりにくいです。むしろ、その後問題なく使用できていることが評価されるケースもあります。

Q. 修復歴があると海外輸出はできませんか?

修復歴があっても海外輸出は可能です。海外バイヤーは日本車の品質を高く評価しており、修復歴があっても希少車種であれば高値で取引されるケースは多くあります。輸出ルートを持つ旧車専門店に相談してみてください。

まとめ:修復歴ありでも旧車は正直に申告して高く売れる

修復歴のある旧車を売却する際の重要ポイントを改めて整理します。

修復歴あり旧車の高額査定ポイント
  • 修復歴は必ず正直に申告する
  • 旧車専門店で査定を受ける
  • 修復の記録と現在のコンディションをアピール

修復歴があるからといって、旧車の価値がなくなるわけではありません。希少車種であれば修復歴があっても数百万円の価値がつくことは珍しくなく、修復の質が高ければむしろ評価されるケースもあります。

重要なのは、修復歴を隠そうとせず正直に申告し、その車両の価値を正確に評価できる専門店に査定を依頼することです。一般買取店では「修復歴あり=大幅減額」となりがちですが、旧車専門店であれば、修復の内容と質を正確に見極め、適正な価格を提示してくれます。

「修復歴があるけど、いくらになるか知りたい」
「正直に申告しても損しないか心配」

という方は、まずは無料査定を受けてみることをおすすめします。修復歴を正直に伝えた上で、プロの査定士がどのように評価するかを確認してみてください。

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